腸は第二の脳として独自の判断をしている
ヒドラのこの仕組みは人間の腸と大きくは変わらない。センサー細胞はヒトの舌の細胞、味蕾に残されている[p185]。ヒドラやクラゲ、イソギンチャクのように腸はあっても脳がない生物が存在することからもわかるように腸管の内側には神経細胞が網のように広がる腸管神経系があり、腸は脳からの指令がなくても自律的に機能する仕組みを持つ[p121]。いますぐにでも排出しなければならない危険な異物が入ってきた緊急事態に、いちいち脳におうかがいを立てていたら間に合わない[p185]。腸が第二の脳と呼ばれるのはそのためである[p121]。
腸内細菌がいないとストレスに弱い
理化学研究所の辨野義己博士が、無菌マウスと通常マウスの脳内代謝物質の違いをメタボロミクスで2017年に比較してみたところ、腸内細菌が脳内代謝物の産生促進や減退に関与していることがわかった[p127]。すなわち、腸内細菌には、腸を整え、感染を予防するだけでなく、免疫や自律神経系を調整するといった作用もある[p48]。
ストレスによる体調不良も腸内細菌で改善できる
また、ビフィズス菌や乳酸菌を30日投与したグループとプラセボを投与したグループを比較した別の研究でも鬱や不安等のストレス症状が減り、尿中で検出されるストレスホルモンも減っていた。生物進化的にも最初に誕生した臓器が消化器官であることから、腸が脳に影響を及ぼすのも自然に思える[p134]。
【画像】
ヒドラの画像はこのサイトより
須藤信之教授の画像はこのサイトより
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【引用文献】
大朏博善『乳酸菌、宇宙へ行く』(2017)文芸春秋


